導入事例 CASE STUDY

各部署の“見える化”が進み相互理解が深まった

管理部<br />
担当部長 作永 義之 氏<br />
同課長 國岡 淳一 氏<br />
同係長 安斉 雄貴 氏
国華産業株式会社 管理部
担当部長 作永 義之 氏
同課長 國岡 淳一 氏
同係長 安斉 雄貴 氏

※役職等の掲載情報は発行当時のものです。

内外航船舶のオーナー兼オペレーターである国華産業は、液体化学品の輸送を本業としている。2年前に導入した「SeaCASTⅡ」は単に会計システムを効率化しただけでなく、他部署同士の業務内容の“見える化”にもつながり、コミュニケーションツールの一つとしての役割も果たそうとしている。同社管理部の3名に活用状況などについてうかがった。
  • 導入のきっかけ・課題

    メンテナンスの技術者の減少に不安を感じ、事業範囲が拡大して外航の売上がシェアを占めるようになった経営実態では、システムに反映しきれておらず、手管理が増え、非効率的な状態でした。

  • 導入後の効果

    残業が減り、働き方改革や生産効率向上にも寄与しました。

―導入のきっかけを教えてください。

作永 親会社から子会社にERPパッケージの導入を検討したいという話があり、国際会計基準(IFRS)への対応を含めて、1年以上検討が進められましたが、結果的に見送りとなりました。他方、当社では20年位前に導入した会計システムを使用していたため、メンテナンスの技術者の減少に不安がありました。加えて、導入当初は内航主体でしたが、最近では事業範囲が拡大して外航の売上がかなりのシェアを占めるようになりました。こうした経営実態がシステムに反映しきれておらず、手管理が増え、非効率的な状態でした。そこで、現状における課題解決に適した会計パッケージを検討し、2015年に「Sea CASTⅡ」の導入を決定。翌年4月にリリースしました。

―「Sea CASTⅡ」を選んだ理由は何ですか。

國岡 他のシステムと比較検討し、コストや機能面、規模感などで「Sea CASTⅡ」が最も当社のニーズに合致しました。海運業に特化しているところも大きなポイントとなりました。導入に当たっては、1年間の準備期間を設けてエイ・アイ・エスさんとYJK Solutionsさんにコンサルティングしていただきました。当社では部署ごとに担当者がまず会計のデータを入力するので、担当者それぞれの旧会計システムの業務運用状況を確認しました。その上で「Sea CASTⅡ」に移行した後に効率的な会計処理ができるよう、細かな業務フローをまとめてもらい、かつ個人用マニュアルも作成していただきました。

残業が減り働き方改革や生産効率向上にも寄与

―導入後はどのような変化がありましたか。

國岡 全てが大きく変わりました。伝票照会もしやすくなりましたし、外貨対応、為替差損益の自動仕訳、債権・債務の消込管理、支払処理の連動、仕訳自由検索などもできるようになりました。

安斉 起票の元となるデータやファイルは、担当社員が保存しているため、これまで管理が行き届いていない部分がありました。「Sea CASTⅡ」は仕訳結果だけでなく、その結果に至るプロセスや数量単価など細かな入力項目が設定されているため、データを分かりやすく管理でき、社員が管理しているデータやファイルが相当整理されました。また、伝票複写が可能になり、エクセルやCSVデータが取り込めることで、作業効率が上がりました。データを見ながら手入力する二重作業がなくなり、入力ミスの防止にもつながっています。さらに、旧システムでは、個々の業務で完結した数字が結果のみ反映されていましたが、詳細なデータをシステムに取り込めるようになったことで業務の“見える化”にもつながりました。「Sea CASTⅡ」導入により業務が系統化され、かなり残業時間を減らすことができました。副次的なところもありますが、「Sea CASTⅡ」導入が少なくとも残業削減の契機となり、働き方改革や生産性向上にも寄与していると考えています。

作永 決算の早期化もあります。旧システムでは伝票をすべて反映させて会計帳簿を出すまで決算を組むことが困難でした。しかし「Sea CAST Ⅱ」は必要な時に必要なデータをダウンロードできるため、個々の様々な作業を前倒しできます。

―導入後のサポートについてはいかがですか。

作永 2016年4月にリリースしてから半年ほどは電話やメール、または直接サポートしていただくことも多く、素早く対応していただきました。1年ほど経って落ち着いてからは、当社の経理担当を中心にエイ・アイ・エスさん、YJK Solutionsさんと四半期毎にミーティングを行い、システムの課題や要望を共有しつつ、対策を協議し改善に繋げています。

業務の引継ぎに伝票複写機能を利用

―「Sea CASTⅡ」に期待することや今後の課題を教えてください。

作永 当社では各部署で債権・債務等の伝票計上を行いますが、各担当者は会計処理を熟知しているわけではなく、各部署の担当者はこれまでにも何かしらの要望はあるものの漠然としたものになってしまい、経理側もそうした隠れたニーズを掬い上げる機会がなかなかありませんでした。しかし「Sea CASTⅡ」を使うようになり、各担当者の業務への習熟度が向上するに従い、互いにコミュニケーションが活発になってきました。各部署担当者の固有の課題や要望を共有し、対策を協議し、必要に応じて運用変更やシステム改修を行い改善に繋げていくこと、そしてそれを継続的に実施することが何より大事だと思っています。社員一人ひとりが自身の業務だけでなく、会社全体の流れやスケジュール等を把握したうえで、新たな課題や要望がでてくるようになれば嬉しいですね。もちろん我々からも積極的に提案、推奨していきたいと思っています。

國岡 そういう意味で、「Sea CASTⅡ」の導入は当社にとって一つの変革でした。それまでは各部署や社員各自で完結するかたちで、全社的に統一したシステムではありませんでした。全社横断的に取り組めたことは、大げさでなく、当社にとって重要な改革だったと感じています。

―社内で部門にまたがる共通言語ができたようなイメージでしょうか。

作永 そうですね。各部署の“見える化”が進んだことで相互理解が深まり、作業の精度も以前に増して向上してきました。また、これは他部署からの提案ですが、「伝票複写機能」を業務の引き継ぎ時に利用しようと考えています。「Sea CASTⅡ」は前任者の過去の仕訳データを保有しており、新任者は「伝票複写機能」を利用して、必要な仕訳データを選択し、金額や日付部分を修正して使うようにすれば、引き継ぎ期間を短縮できると考えています。このように各部署との業務連携が生まれることで、社内がより活性化すると思います。今は従業員の約半数のパソコンに「Sea CASTⅡ」を導入しています。今後は“見える化”したデータを未導入の営業部署等にも、損益管理等に役立ててほしいと考えています。そしてさらに、役員の皆さん方にも必要に応じて適宜ご活用いただき、経営判断等に役立てていただければと思います。

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